成田空港からほど近い場所に、本格的なタイの寺院があることをご存じですか?
タイ古式マッサージの施術をしてもらっている『ピュア』で「こんど、お寺でお祭りがあるから来てください。タイの食べ物がみんなタダで食べられますよ」と魅力的なお誘い!
在日タイ人だけじゃなく、日本人も沢山参加しているとのことだったので、成田市にあるタイのお寺『ワットパクナム日本別院』で4月14日の日曜日に行われる『春の水かけ祭りソンクラーン』に行ってみました。
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春の水かけ祭り ソンクラーン当日の出来事
8時半ごろに到着するように車を走らせていると、タイのオート三輪トゥクトゥクが走っているではないですか!浮き浮きしながら後に続くと、畑道の先を曲がりさらに細い車がすれ違うのがギリギリくらいの道の先に目指すタイのお寺ワットパクナムがありました!
まだ8時半前ですがお祭りはもう始まっているようで、駐車場に向かうため渋滞の列に並んでいると「もうこの先はいっぱいで入れないよ」と日本人の(?)おじさんに言われました。
わたしの前を走るオート三輪トゥクトゥクはと言うと、どうやらお祭り主催側の人だったようで、寺院の中に吸い込まれるように入って行ってしまいました。
なんだそうだったのか!ならば少し手前の砂利の駐車場に停めようと車をUターンさせてもらい、坂道の上の砂利駐車場に入ると「この先入っても止められませんよ、中でも回れないしバックして下りるしかないよ」と下りてきた男性が教えてくれました。
ーえ~わたし運転そんなにうまくないのに、この細い砂利道の坂をバックで下りる自信なしー
細い砂利の坂道、おまけに片側には足場に使うパイプ組がされていて、わたしのへたくそな運転ではかなりの技術が必要、バックで下がった先の道は車一台がギリギリ通れるくらいで、お祭りに向かう渋滞の車が列をなしてる・・・
それならば、この男性に申し訳ないがお願いしようと
「すみません、本当に申し訳ありませんが、運転が下手なので代わりに運転してもらえませんか」と尋ねると
当然ですが
「人の車は怖いなあ」「見ててあげるからバックして下がりなよ」と言われ ※当然と言えば当然です
誘導してもらいやっとのことで細い坂道をくだり駐車場から脱出できました。お祭りの楽しい音楽を聴きながらもうこれだけで汗だくです。
お寺の門の前で「もうこの先は入れないよ、駐車場一杯だから」と教えてくれた方に、Uターンをする前に
「皆さん何時ころから来られているのですか?」と聞くと
「早い人は6時ころから来てるよ」との答え
そんなに早くから始まってるんだ!!タイ料理食べたかったなと後ろ髪惹かれながら自宅へと戻りました。
しかし、わたしが駐車場がいっぱいで入れなかったら、ワタシの後ろにずらっと並んだこの車の人たちは永遠に待つのかしら??と不思議に思いましたが、駐車場からの脱出でくたくたになり頭がそこまで回りませんでした。
後日マッサージの時に駐車場に入れなかったのであきらめて帰った話をすると「電話してくれればよかったのに」と屋台の準備で忙しいかなと思って電話はしなかったけれど、遠慮なんてしないで電話をして聞けばよかったと気をまわしすぎたことを少し後悔しました。
ソンクラーンสงกรานต์ タイの旧正月を祝う水かけ祭り
ソンクラーンとはタイの旧正月を祝うお祭りです。
基本的には仏像や仏塔に水をかけお清めをしたり、年長者の手に水をかけお清めをし、敬意を示すものですが、近年では若者を中心に、暑い季節に水をかけあって楽しむ『水かけ祭り』に変わって来ているそうです。
お祭りの期間は、タイ人だけでなく移動中の観光客にも容赦なくバケツに入った水をかけるそうで、暑い時期の水かけ祭り、お祭りを見ている方もスリル満点です。
ワットパクナム日本別院では水かけはしませんが、スースーするベビーパウダーを水で溶いたものを顔につけるんだとか。楽しそうですね!
当日は8時半ごろに到着するも、本当に駐車場がいっぱいで車が停められず、他に停められそうな場所もなかったので、泣く泣く帰ってきましたが(今思えば時間を置いて出直せば良かったです)お祭りの当日には数十件のものタイ料理のお店が出店し、なんとすべてフリーで振舞われるのだそうです。
『ピュア』のお店ではタイ料理ではなく、うどんを300食、焼きそばを300食用意し、お祭りに参加した、在日タイ人や日本人に振舞ったそうです。
後日マッサージの時に「車を停められずお祭りに参加できなかった、約束をやぶってごめんね」とお詫びをし
「うどん300食、焼きそば300食なんて準備もお金も大変でしたね。おつかれさまでした」と私が言うと
「そんなのは全然大丈夫、あれはお客様のお金(マッサージをしての売り上げ)、日ごろの感謝を返しているだけだから、全然良いんです」と流暢な日本語で答えが返ってきて、なんだかちょっと感動してしまいました。
タンブン(徳を積むこと)という考え方
タンブンとは、徳を積むことであり、お寺に寄進したり、托鉢する僧侶に施しを与えたり、恵まれない人々を援助することで。喜捨寄進をすることで善行を積み重ね、より良き来世を迎えることを期待する。タイ人は輪廻転生を信じており、タンブンをすればするほど来世では幸せな生まれ変わりができると信じられている。最大のタンブンは僧侶として出家することだが、在家信者も様々な方法で徳を積むことができる。
お祭りの時に、料理を振舞うのも『タンブン(徳を積むこと)』美味しく食べて楽しんでいる姿を見て、食事の提供者も喜びを感じて、またそれによって食事の提供者の功徳を積めると考えているからだそうです。
ーなかなかできない、素晴らしい考え方だと思いました。ー
ワットパクナム日本別院(Wat Paknam Japan / วัดปากน้ำญี่ปุ่น)
「行くね」と約束したのに行けなかったので、次回の下調べを兼ね、週末にワットパクナム日本別院を訪れてみました。
正門の入口には右手側に日本語で『ワットパクナム日本別院』と看板が掲げられ、左手側にはタイ語で『วัดปากน้ำสาขาญี่ปุ่น』と看板が掲げられていました。
ワットパクナム日本別院は1998年に、千葉や東京近辺に住む在日タイ人が、気軽にお祈りや相談ごとをできる憩いの場として開かれました。関東地方は在日タイ人が多く、千葉県は東京に次いで二番目に多い地域だそうです。
門をくぐり中に入ると、お坊さんの像があり、花は終わってしまいましたが桜の木が何本も植えられ、オオデマリが花を咲かせていました。その奥に見える青い屋根が『ウボーソット(布薩堂:ふさつどう)』です。
青い屋根と、タイ様式の建物が目を引きます。
ウボーソット(府薩堂 ふさつどう)
ウボーソットは一階建ての布薩の場。タイから招かれた大工により2003年に新築されました。
タイ仏教寺院の中で、最も大切な建物とされ、重要な儀式は必ずウボーソットで行われるそうです。
※布薩とは月に2度(新月と満月)戒律に照らして自身の行為を確認し、戒律にたがう行為を懺悔すること
まぶしいくらいの白さの大理石の壁、大理石はすべてタイから運ばれたそうです。ウボーソットの扉の上部には王室の許諾を得て、王室の略称と称号、国王誕生日を記念する紋章が飾られています。
靴を指定された場所(大理石の床の前)で脱ぎ、中を見学することができたので、見せていただきました。中はとても鮮やかな色彩です。
こちらがウボーソット内部の黄金の仏像です。午後5時には仏像の前に座り、読経、瞑想を行うそうです。
壁の上部にはジャータカなど(仏教でいう前世の物語)仏教説話の場面が描かれています。日本のお寺にも仏教説話の彫り物や絵があるので同じですね。
ウボーソットの周りには、大理石でできた動物の像が置かれています。これは結界を張る意味があるそうです。
ウィハーン(仏堂)
こちらも大理石の床の手前で靴を脱ぎ中に入ることができます。タイから招かれた大工により2008年に新築されました。
入口から入って手前にはルアン・ポー・ソッドの像、奥にはブッダの像が安置されています。
わたしが訪れた時も、何人もの日本に住むタイ人がお寺を訪れ祈りをささげていました。
「お祭りがない時も、お料理を持ち寄ってみんなで食べたりするから、お坊さんも、集まった人も日本語が通じるから食べてきたら良いですよ」とがくさんに聞いてはいましたが、そこまでの勇気がなく境内を散策するにとどまりました。
母国を遠く離れた人たちにとって交流の場所、心の拠り所であり、パワースポットのような場所でもあるのでしょう。
ウィハーン(仏堂)での参拝方法
参拝の流れは下記の手順
- 線香に火をつけ手に挟み仏像を拝んだ後、線香立てに線香をたてる
- おみくじを振り棒を取り出し、棒に記された番号と同じ数字のおみくじを棚からとる。内容が好ましくない場合はウィハーンの外に置かれた木製の台に結ぶ。
- 比丘(びく)の像に金箔を貼る。自身の身体の悪い個所と同じ部分に貼り、治癒を願う。
比丘(びく)とは仏教の男性僧侶です。
今回はひとりふらっと訪れたため、「勝手に入って良いのかな・・・」と戸惑いもあり参拝はしませんでしたが、在日タイ人の方が何人も参拝していらっしゃいました。
身体の悪い箇所と同じ部分に金箔を貼り、治癒を願う事も、日本の身体の悪い部分に線香の煙を当てる事に似ていますね。
庭園のヤック(夜叉)の像
ウボーソットの前にヤック(夜叉)の像がありました。
2体で対になり配置されるそうです。こちらも煌びやか!
参拝・見学のマナー
ワットパクナム日本別院は「在日タイ人だけでなく、日本人も世界のどの国の方も歓迎しています」として見学や参拝者を受けいれており、入場料や入場の手続きはありません。
参拝のマナーとして
- ミニスカートやノースリーブ、短パンなど露出が多い服はNG
- 女性が比丘(びく:男性僧侶)に触れるのはNG
- ウボーソット(府薩堂)は土足厳禁、入口で靴を脱いでお入りください
- 手を合わせるときは立ってではなく、座って正座をし手を合わせてください。
夏場はどうしても涼しい服装になりますが、訪れる際は注意が必要です。
ワットパクナム日本別院 境内のようす庭園
いたるところに草花が植えられていました。これからの季節、オオデマリ、シャクヤク、紫陽花が楽しめそうです。
手入れが行き届いていて、とても気持ちがいい。
オオデマリにシャクヤクの花
この先に、池がありました。ちょうど庭園の草刈り作業をしている方がいらしたので、作業の邪魔にならないよう少し見せていただきました。
新緑が気持ちいいです。
ウィハーン(仏堂)の横にはボタンザクラが咲いていました。
こちらはウィハーン(仏堂)の裏側です。モッコウバラやオオデマリが咲いています。
「呼吸をする時間があれば、瞑想時間があります」瞑想はいつでもどこでもする気さえあればできる。という意味でしょうか
アクセス
所在地
- 〒287-0237/千葉県成田市中野294-1
- 電話番号/047-673-8090
- 毎日8:00〜17:00頃まで
(ただしタイで行事がある日は開放しているかは要問い合わせ) - 入場料は無料
- 公式ページ
自動車
- 圏央道下総インターチェンジが最寄りのインターチェンジ
- 敷地の中に無料駐車場があります。
電車
- 最寄り駅はJR東日本成田線の成田駅または京成電鉄の京成成田駅
- タクシーで約30分
バス
- 京成電鉄京成成田駅前の千葉交通バス2番線より佐原粉口行き
- 51号線セブンイレブン前の「吉岡新田(きちおかしんでん)」で下車
- 徒歩で約4キロ
吉岡新田で下車をし徒歩の場合、田舎道を延々と歩くことになります。歩道もなく途中にコンビニ等のお店もありません。覚悟が必要です。
以下ワットパクナム日本別院までのGoogleMapです。
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